不動産市場の動向と不動産売却に適したタイミングの見極め方
近年の都市部での不動産価格は急速に上昇しており、人口集中や低金利が影響しています。国土交通省の不動産価格指数で価格動向を把握し、市況や需要動向、税金などを考慮して売却タイミングを見極めることが重要です。
特に、築年数や季節、3,000万円の特別控除や特定の居住用財産の買換え特例を利用することが有効です。
目次
上昇傾向が続く不動産価格
不動産価格は近年、上昇傾向で、特に都市部ではその傾向が顕著であり、戸建住宅やマンションの価格が急速に上昇しています。この現象は、人口の都市集中や低金利の影響を受けており、不動産市場全体に大きな影響を与えています。
◇不動産価格指数とは
不動産価格指数は、国土交通省が公表している不動産価格の動向を示す指標です。年間約30万件の不動産取引価格情報を基に作成され、土地や戸建て住宅、マンションの価格動向を把握できます。
この指数により、エリア別や不動産種類別の取引動向を時系列で理解することが可能です。不動産の売却や購入のタイミングを判断するのに役立つほか、国の金融危機回避対策としても重要な役割を果たしています。
◇不動産価格の動向
不動産価格は2013年ごろから全体的に上昇しており、特に2020年以降は戸建住宅や住宅地でその傾向が顕著です。都市部への人口集中や経済成長、低金利政策などが価格上昇を後押ししています。
2013年から2023年の10年間で、マンション価格はほぼ2倍に上昇しました。このような動向は、不動産市場全体に大きな影響を与えています。
出典元:国土交通省
不動産売却はタイミングも重要!タイミングの見極め方
不動産売却においては、適切なタイミングを見極めることが重要です。タイミングを見極める際には、不動産市況や需要の動向、税金の影響などを考慮する必要があります。特に、季節や経済状況、不動産の状態などが重要なポイントとなります。
◇価格相場
価格が右肩上がりで上昇している場合は、売却を少しでも遅らせると利益が出やすくなりますが、将来の上昇がいつまで続くかを予測するのは難しいです。逆に、価格が下がっている場合は、早めの売却が賢明です。
価格が横ばいの場合は、いつ売っても大きな差は出にくいと考えられます。重要なのは、適切なタイミングを見極めることです。不動産価格の推移や動向を確認するためには、国土交通省の「不動産価格指数」や「土地総合情報システム」が役立ちます。
◇築年数
不動産売却においては、住み替えを想定して購入した家であれば、築10〜15年以内に売却するのがよいでしょう。築15年を過ぎると、不動産としての価値が下がり、売れにくくなる傾向があります。
特にマンションの場合は、築10年を過ぎると大規模修繕が行われるケースが多いため、数年後に大規模修繕工事を控えたマンションは買い手がつきにくくなるといわれています。このような点を考慮しながら、適切な時期に売却を検討することが重要です。
◇税金
不動産を売却する際には、譲渡所得税がかかります。この税率は所有期間によって異なり、所有期間が5年を超えると税率が下がります。所有期間が短い場合は税率が高くなりますが、一定の条件を満たすと軽減税率や特例が適用されることもあるため、予め確認しておくといいでしょう。
マイホームの所有期間が10年を超える場合は軽減税率の特例が適用され、税金負担が軽減される可能性があります。ただし、相続した不動産を売却する場合は特例の適用期限に注意が必要です。
◇季節
一般的に、一戸建てやマンションなどの不動産は、2〜3月ごろによく売れるといわれています。これは、転勤や子どもの進学先が変わるタイミングの直前である2月、3月が住み替え需要が高まる時期だからです。新年度に向けての転職や入学、入社、転勤などを見据えた住まい探しをする人が多いため、この時期は好条件で売却しやすくなります。
売却を考えるなら、2〜3月ごろのベストタイミングに合わせて、11〜12月ごろから売却準備をスタートするといいでしょう。一方、7〜8月ごろは引越しを考える人が少ないため、不動産の売れにくい時期とされています。
不動産売却のタイミングを間違えたら?
画像出典:フォトAC
不動産を売る際、タイミングを誤ると思わぬ損失や売却の難航を招くことがあります。例えば、需要が高まる前に売り出してしまい、結果的に価格を下げざるを得なくなることがあります。
また、不景気な時期に売り出すと、売却までに時間がかかる可能性が高まります。不動産を売る際には、市場の動向や季節、物件の状態などを考慮し、適切なタイミングを見極めることが大切です。
◇不動産の閑散期について
不動産の閑散期は、繁忙期以外の時期であり、4〜8月と12〜1月中ごろまでが該当します。特に不動産業界の閑散期である2月と8月は、売却時期としては避けた方がよいです。住宅の場合、購入動機は転勤や転職、子どもの入学などによるライフステージの変化が多く、住み替え希望時期は年度末の3月に集中します。
次いで、9月入居の人気が高くなります。そのため、3月入居を希望する場合は1月末までに物件を決める必要があります。同様に、9月入居を希望する場合は7月末までに物件を決める必要があります。
したがって、2月と8月は住宅需要が落ち着くため、売却時期としては避けるべきです。特に8月は、子どもの夏休みやお盆休みなどで動きが少なく、不動産業界も休業傾向にあります。
◇不動産売却のタイミングを誤った失敗例
不動産売却のタイミングを誤ると、価格を下げざるを得なくなったり、売却までに時間がかかったりすることがあります。
例えば、新生活シーズンの直後である5月から売却を始めると、需要がピークに達する前に物件を売り出してしまい、結果的に価格を引き下げることになるかもしれません。また、景気の悪い時期から売却を始めると、売却にかかる時間が長くなる可能性が高まります。
不動産を売却する際には、築年数や季節などの要因に注意し、適切なタイミングを見極めることが肝心です。築年数が浅いほど高い価格で売却できる可能性が高く、季節によって需要が変動するため、売却時期を慎重に選ぶことが大切です。
余裕ある準備期間を設けて不動産売却を成功させよう
不動産を東広島市で売却する際に成功するためには、タイミングを見極めることが重要です。成功のカギは、十分な準備期間を確保することにあります。適切な準備を整えて、不動産の売却計画を立てましょう。
◇準備期間を設けて余裕を持つ
不動産売却を成功させるためには、売却したい時期の半年前に準備を始めることが重要です。不動産の売買契約までには、少なくとも半年~1年の期間が必要とされるため、余裕を持った準備が必要です。
売却活動を始める時期からさらに半年ほどの余裕を持って準備を進めることで、スムーズな成約につなげることができます。これにより、後悔することなく不動産売却を成功させることができるでしょう。
◇タイミングの見極めは難しい
不動産売却の成功には、適切なタイミングを見極めることが不可欠ですが、これは容易なことではありません。例えば、空家売却の特例では相続開始から3年経過までに売却する必要があります。このように、売却のタイミングは知識と注意が必要です。
また、相場の変動を見極めることは、プロでも難しいとされています。相場が下落している際にも、直後に上昇することがあるため、焦らず冷静に判断することが重要です。相場が上昇しているときに買った不動産が、売却時に価値が上がっていれば、その時が売りどきと言えるでしょう。
近年の不動産価格は都市部を中心に急速に上昇しており、人口集中や低金利が影響しています。不動産価格指数は国土交通省が公表しており、土地や住宅の価格動向を把握するのに役立ちます。2013年から2023年の間にマンション価格はほぼ2倍に上昇しました。
不動産売却の適切なタイミングを見極めるには、市況や需要動向、税金などを考慮する必要があります。特に、築年数や季節、税金の影響を見逃さず、3,000万円の特別控除や特定の居住用財産の買換え特例を利用することが重要です。