東広島市の空家は早めに不動産売却を!空家法の改正で何が変わる?
2023年12月の空家法改正では、「空家等活用促進区域」や「管理不全空家」の新設が主な変更点です。この改正により、所有者へのプレッシャーが増大し、税の厳格化も行われます。空家の処分方法としては、「空家のまま売却」や「取り壊してから売却」があります。売却により、リスクやコストが軽減され、「空き家の譲渡所得特別控除」を活用すれば節税も可能です。
目次
空家法の改正内容とは?
空家等対策特別措置法は、空き家が抱えるさまざまな問題に対処するための法律です。この法律は、2023年12月に改正され、新しい要素が盛り込まれました。以下では、改正法の内容や空き家の種類について解説します。
◇空家法の改正とは
2023年12月の改正による大きな変更点は、「空家等活用促進区域」と「管理不全空家」の新設です。空家等活用促進区域は、空き家の有効活用を促進する必要がある区域のことです。また、管理不全空家は、現状のままだと特定空き家に指定される可能性のある空き家のことを指します。
空き家が放置されると、その状態は悪化し、所有者が介入しなくなる可能性があります。この改正は、そうした事態を防ぎ、空き家の資産価値を保護する試みです。
◇空家の種類
空家は、その状態や管理状況に応じていくつかの種類に分類されます。
・特定空家
特定空家は、1年以上放置された状態で、法的に管理が不十分であり、安全面や衛生面で問題があるとされる空家です。具体的には、「倒壊や崩壊の危険がある」「周囲の景観や衛生環境を著しく損なっている」「不法投棄や犯罪の温床となる可能性が高い」とされる空家です。
・管理不全空家
管理不全空家は、そのまま放置されると状態がさらに悪化し、特定空家に指定される恐れのある空家です。つまり、管理不全空家は特定空家の前段階にある空家と言えます。
具体的な要因としては、「定期的な点検やメンテナンスが行われていない」「建物の一部が劣化しており、安全面で懸念される部分がある」「周辺環境にある程度の悪影響を与えている」などが挙げられます。
空家を放置するとどうなる?
空家法の改正により、管理不全空家に対する管理が厳格化され、空き家所有者へのプレッシャーが一層強まっています。
◇改正で管理不全空家への管理が厳格化
2015年に施行された空家法は、市区町村が倒壊などの危険性がある空き家の所有者に対して、さまざまな指導や命令、必要に応じて勧告や命令を出すことができる法律です。もしも空き家の所有者が指導命令に従わない場合、住宅用地特例による税軽減措置を認めないという罰則も設けられています。
このような適度なプレッシャーをかけることで、所有者の早急な対応を促す狙いがありますが、「対応としては緩い」という声もありました。そこで今回の改正法では、「特定空家として認定される前の段階(管理不全空家)」でも、住宅用地特例による税軽減措置を認めないという内容が盛り込まれています。
◇固定資産税が6倍になる可能性
管理不全空家として勧告を受けると、住宅用地特例による税軽減措置を受けられません。住宅用地特例による税軽減措置が認められると、固定資産税は最大で1/6、都市計画税は最大で1/3に減額されますが、勧告後はこれらの措置は受けられません。
そのため、固定資産税は最大で6倍、都市計画税は最大で3倍に課税される可能性があります。
誰も住まない空家の処分方法
空家の主な処分方法は、「空家のまま売却」と「空家を取り壊してから売却」の2通りです。以下では、それぞれの売却方法とメリットについて解説します。
◇空家のまま売却
建物をそのままの状態で売却する方法です。つまり、新しい所有者が建物の状態を引き継ぎ、必要に応じて修復やリノベーションを行います。
空家のまま売却するメリットのひとつは、費用の削減です。取り壊しや更地化にかかる費用がかからないため、費用を節約できます。また、建物の状態を気にせずに売却できるため、早期の不動産売却を実現できる可能性があります。
◇空家を取り壊してから売却
建物を取り壊して更地にした上で不動産を売却する方法です。新しい所有者は更地の土地を購入し、その土地を新たな形で活用します。
空家を取り壊してから売却するメリットは、土地の買い手がつきやすいことです。状態の悪い空家の場合、どうしても印象が悪くなり、なかなか売れないことがあります。
更地であれば、新しい建物を建てたり、土地を区画して有効活用できたりと、購入検討者も将来のイメージが湧きやすくなります。
たとえ買い手がつかない状態でも、更地にすることで、内部への不法投棄や建物火災などの心配がなくなる点もメリットです。
空家を売却してリスクとコストを低減
空家を売却することで、避けられるリスクやコストは多いです。
◇倒壊リスクや維持コストが低減
老朽化した空家の問題点は、倒壊リスクがあることです。特に日本は地震や台風などの自然災害が頻発するため、空家が倒壊して他人に損害を与え、所有者はその損害賠償責任を負う可能性があります。
また、倒壊しなくても、使用していない空家の維持管理費や各種税金(固定資産税や都市計画税)の支払いが続くため、経済的な負担が続きます。
空家を売却することで、これらのリスクとコストから解放され、さらに売却によって得られる資金を他の有益な投資や生活費に充てることも可能です。
◇「空き家の譲渡所得特別控除」を活用すれば節税が可能
空家を売却する際に節税対策として有効なのが「空き家の譲渡所得特別控除」です。この制度は、一定の条件を満たす空き家を売却した場合に、その譲渡所得から最大3000万円の控除を受けられる仕組みです。
対象物件は、1981年5月31日以前に建築された住宅であり、相続により取得した空家やその敷地が対象です。
空家法の改正内容は、2023年12月に行われました。改正では、「空家等活用促進区域」と「管理不全空家」の新設が主な変更点です。管理不全空家は、放置されると特定空家に指定される可能性のある空家を指し、所有者の介入を促す目的があります。
特定空家は1年以上放置され、法的に管理が不十分で安全や衛生に問題がある空家です。管理不全空家はその前段階で、定期的な点検やメンテナンスが行われていない、周辺環境に悪影響を与えるなどの特徴があります。
改正では、管理不全空家に対する管理が厳格化され、所有者に対するプレッシャーが増大しました。勧告を受けると、住宅用地特例による税軽減措置が受けられなくなり、固定資産税や都市計画税が最大で6倍になる可能性があります。
空家の処分方法としては、「空家のまま売却」と「空家を取り壊してから売却」があります。売却によっては倒壊リスクや維持コストが低減し、さらに「空き家の譲渡所得特別控除」を活用すれば節税が可能です。