不動産売却の仲介料とは?片手と両手の違いを解説
不動産の売買には、多くのステップと手続きが伴います。この取引を円滑に進めるために、不動産会社が売主と買主の間に立ってサポートし、その際に発生するのが「仲介料」です。仲介には、「片手仲介」と「両手仲介」の二種類があります。
片手仲介は、不動産会社が売主または買主のいずれか一方のみを担当する形態であり、両手仲介は、同じ不動産会社が売主と買主の双方を担当する形態です。それぞれの仲介形態には、異なる特徴とメリットがあります。
目次
不動産売却で仲介料がかかる?
不動産会社は、売主と買主のあいだに立ち、取引が円滑に進むようサポートします。このときに発生するのが「仲介料」です。仲介には、「片手仲介」と「両手仲介」の二種類があります。ここでは、それぞれの特徴について説明します。
◇片手仲介とは?
片手仲介とは、不動産会社が売主または買主のいずれか一方のみを担当する仲介の形態です。例えば、売主が不動産会社Aに物件の売却を依頼し、買主が別の不動産会社Bを通じてその物件を購入する場合、不動産会社Aと不動産会社Bはそれぞれ片手仲介を行っていることになります。
片手仲介のメリットには、「利益相反の回避(不動産会社が一方の利益のみに集中できる)」「担当者が一方の立場に専念するため、より細かいサポートが期待できる」「要望を伝えやすい」などが挙げられます。
◇両手仲介とは?
両手仲介とは、不動産会社が売主と買主の双方を担当する仲介の形態です。例えば、売主が不動産会社Aに物件の売却を依頼し、その物件を購入する買主も不動産会社Aを通じて契約する場合、これは両手仲介となります。
両手仲介のメリットには、「仲介業者が売主と買主の両方を担当しているため、スムーズな取引が可能」「仲介手数料の割引が受けられる場合がある」「より詳しい市場情報を提供してもらえる」などが挙げられます。
両手仲介の注意点とは?
画像出典先:フォトAC
両手仲介には効率的な取引を促進するメリットがありますが、売主にとっては注意すべき点がいくつか存在します。特に「囲い込み」と「売却価格の低下」には注意が必要です。
◇囲い込みをされると売却に時間がかかる
囲い込みとは、不動産会社が売主から依頼を受けた物件の情報を他の不動産会社に共有せず、自社の顧客だけにその物件を紹介する行為を指します。
これにより、物件が市場に広く出回らず、買い手を見つけるのに時間がかかることがあります。また、囲い込みによって買い手の選択肢が狭まり、結果として交渉力も低下してしまう可能性があるのも問題です。
◇売却価格が低下する可能性がある
両手仲介においては、不動産会社が売主と買主の双方から手数料を受け取るため、利益相反のリスクが存在します。例えば、以下のようなことが起こる可能性があります。
不動産会社の利益優先
不動産会社が自社の利益を優先するあまり、売主にとって最適な売却価格ではなく、自社の顧客にとって有利な価格で取引を進める可能性がある。これにより、売主が本来得られるべき価格よりも低い金額で売却されてしまう。
価格交渉の不利
買主が同じ不動産会社を通じて物件を購入する場合、その不動産会社は売主の利益を最大化するよりも、迅速な取引成立を優先してしまう。その結果、売却価格が不当に低くなる可能性がある。
高額で売りたい場合は片手仲介で買手を待つのも一案
不動産売却を成功させたい場合、片手仲介でより高額な買手を待つのもひとつの選択肢です。この方法にはいくつかのメリットがあります。
◇無理な値下げをする必要がない
片手仲介では、不動産会社が売主のみを担当するため、売主の利益を最優先に考えてくれます。そのため、無理な値下げを強いられることが少なくなる点は大きなメリットです。
両手仲介の場合、不動産会社は取引の早期成立を優先し、買主にも利益をもたらすことを考慮するため、売却価格が低く設定されることがあります。しかし、片手仲介では売主の希望価格に沿った取引が可能であり、高額での売却が期待できるのです。
◇代理(片手仲介)を採用している業者も存在
片手仲介を専門として取引を行う不動産会社もあれば、片手仲介と両手仲介の両方を扱う業者もあります。後者の場合、例えば片手仲介を優先して取引を進めた後、適当な買手が見つからない場合や条件が合わない場合には、両手仲介として取引を拡大するケースが多いです。
不動産会社の両手仲介・片手仲介の選択は、売主のニーズや物件の特性によって異なります。最適な買手を見つけ、売主の利益を最大化するためには、信頼できる不動産会社との密なコミュニケーションが重要です。
片手仲介で高額売却を実現した事例
ここからは、東広島市において片手仲介で高額売却を実現した事例をご紹介します。
◇一戸建ての売却事例
「完全片手仲介であれば、よりお得に不動産を売却できます。最初に依頼した大手不動産会社と比べて、3000万円も高く売却できたのですから、雲泥の差ですね。不動産会社選びは本当に重要だと実感しました。」
出典元:ミライアス
当初の査定額よりも3,000万円以上高く売却できた事例です。最初に大手不動産会社に依頼したものの、大幅な値下げで契約を迫られたため、完全片手仲介の不動産会社に切り替えて高額売却を成功させました。実際に不動産を売却した方は、以下のように語っています。
◇一棟ビルの売却事例
「高額売却のためには、セカンドオピニオンが大切だと分かりました。大手だからといって、一社だけに依頼すると損をしてしまう可能性がありますね。完全片手仲介の会社も含めて複数の会社の見積もりを取ったのですが、2,000万円以上も差が出たのは驚きです。」
出典元:ミライアス
所有していたビルを他の不動産会社と比べて2,000万円以上高く売却できた事例です。こちらも当初は大手不動産会社に売却を依頼しましたが、セカンドオピニオンを経て他の不動産会社に乗り換え、売却を成功させました。
不動産売却においては、不動産会社が売主と買主の間で仲介し、円滑な取引を支援する「仲介料」が発生します。片手仲介と両手仲介があり、片手仲介では一方のみを担当し、両手仲介では両方を担当します。両手仲介は取引の効率化に役立ちますが、売主には囲い込みや価格低下のリスクがあります。
片手仲介は買手の選定を待つことができ、売主の利益を最優先に考慮します。不動産会社によっては、片手仲介を専門とするものもありますが、両手仲介を行う場合もあります。適切な選択は売主のニーズと物件の特性に依存します。